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がん治療をご検討の方
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がんの発症とがん遺伝子治療

がんの主要な原因の一つは、がん抑制遺伝子に傷がついて異常になることです。
細胞の増殖を進める遺伝子(車でいえばアクセル)を原がん遺伝子(Oncogene)、細胞の増殖を止める遺伝子(車でいえばブレーキ)をがん抑制遺伝子と言います。これらの遺伝子に傷がつき、異常になると細胞はがん細胞に変化します

当院のがん遺伝子治療は、がん抑制遺伝子を体内に入れることにより、異常な遺伝子を正常化へ促す治療法です。
病期に問わず初期から末期まで治療を行うことができます。
標準治療(三大療法)と合わせて治療を行うことができ、標準治療前、治療中、治療後にがん遺伝子治療を取り入れていくことで相乗効果が得られます。

がん遺伝子治療の特性

  • ・がん遺伝子治療は標準治療より副作用が少なく、あっても数時間以内に落ちつく一過性の発熱がほとんどです。
    その他、不眠、嘔気、蕁麻疹、などの副作用もありますが、ほとんどが軽度の症状で落ち着いています。
  • ・抗がん剤や放射線療法の前に治療を行うことで効果の期待ができます。
  • ・がんの種類には問わないことから三大療法では適応がない状態でも投与することができます。
  • ・90分〜120分程度の点滴治療で行えます。
  • ・人間の体の中に備わっている細胞を投与するためがん細胞以外の正常な細胞への影響を心配することなく治療を行えます。
  • ・がん遺伝子検査のみで異常を認め、画像診断上特に問題を認めない状態などの「前がん状態」でも治療を行うことができ、がん発現を阻止することが期待できます。

がん抑制遺伝子

細胞の増殖を止めるがん抑制遺伝子の代表格がp 53です。これはかなり多くのがんで異常をきたしているため、がん遺伝子治療ではまずp 53を導入します。

ベクターとは?ベクターの役割

がん細胞に正常な遺伝子を取り込ませるために利用する入れ物を「ベクター」といいます。ラテン語の「運び屋(vehere)」に由来しています。
ベクターにはウイルスベクターと非ウイルスベクターが存在します。
現在、ウイルスに遺伝子を運ばせる治療法の研究が盛んにされていますが、ウイルスを使うことに伴うリスクがあるほか、現在のところ、治験などでしかウイルスを用いた治療を受けることはできません。

プラスミドとは

プラスミド(plasmid)とは、大腸菌などの細菌や酵母の核外に存在し、細胞分裂によって娘細胞へ引き継がれる環状のDNA分子の総称です。

遺伝子組み換えでは、このプラスミドに目的遺伝子を組み込み、原核生物を他の生物に感染させて、プラスミドに組み込まれた遺伝子を送り込みます。
したがって「目的の遺伝子の運び屋」と言われるのです。つまり、プラスミドとは、その環状DNAの名称であり、ベクターとは遺伝子組み換えにおける役割の名称です。

当院のベクターはリポソーム(非ウイルス性)

当院では遺伝子の運び屋(ベクター)として、古くから多くの研究で用いられ、効果・安全性の確立したリポソームを利用しています。リポソームは一般的には非常に高価ですが、当院ではリポソームの中にp53とプラスミドを導入しており、完全に院内で製造することで比較的安く、多くの量を投与することができます。

リポソーム

細胞膜の脂質二重膜を模して、一つの分子上に親水性部分と疎水性部分とを持たせた分子から作られる複合体で、内部にDNAやタンパク質などを含ませることができ、細胞と融合させて内部の分子を細胞内に導入する実験に利用されています。

ミセルとリポソームの違い

コロイド中の分子に分子間力が働き小球状に集合するとミセル(英: micelle)となり、カプセル状に集合するとリポソーム(英: Liposome)になります。リポソームでは、外部とカプセル内部に親水性の分子端を並べた薄い分子層が向かい合わせに二重になった膜状を呈しています(これを脂質二重層という)。
ミセルよりリポソームの方が大きく、DNAやタンパク質を導入しやすく安定します。

p53

癌抑制遺伝子p53は、ヒトの癌の約50%〜60%に変異が認められます。p53は多種多様な生体ストレスから細胞を守り、癌発現を防ぐ働きからCellular gatekeeperとも呼ばれています。DNA損傷や癌遺伝子の活性化、酸化ストレス、栄養飢餓など、さまざまな刺激を受け活性化されたp53は、一つ一つの細胞内でDNA修復や細胞増殖停止、アポトーシスなどの細胞増殖サイクルの抑制を制御する機能を持ち、細胞ががん化したときに細胞老化の誘導を介してアポトーシスを起こさせて機能を発揮させます。

サイトカイン

細胞から分泌されるタンパク質です。
サイトカインとして知られているものはインターフェロンやインターロイキン、腫瘍壊死因子 (TNF)等です。
細胞の増殖、分化、細胞死、機能発現など多様な細胞応答を引き起こします。
サイトカインは多様な細胞により産生され、それにはマクロファージ、Bリンパ球、Tリンパ球、肥満細胞といった免疫細胞のほかに内皮細胞、線維芽細胞、各種の間葉系細胞をも含みます。

サイトカイン放出症候群

サイトカイン放出症候群(cytokine release syndrome:CRS)または急性輸注反応(Acute infusion reaction)は,抗T細胞抗体等の抗体医薬などの薬剤を投与した際に起こり得る即時反応型の副作用であり、アナフィラキシーとは異なる概念です。
悪寒,悪心,倦怠感,頭痛,発熱,頻脈,血圧上昇などの種々の症状を呈し,重篤な場合は,サイトカインストームに至ることもあります。
薬剤が単球やマクロファージと結合して、T細胞等が死滅する前に活性化されてサイトカインを放出することで生ずる現象です。薬剤の投与量を減ずることで症状は大きく軽減されます。また、投与速度を抑たり、事前に抗ヒスタミン薬や重症例ではステロイド系抗炎症薬を静脈内投与することでも軽減できます。しかし、ステロイド系抗炎症薬の投与を行うと治療効果は減弱するため、発熱の予防にアセトアミノフェン300〜600mgを抗体薬投与の1時間前に経口投与しておくことも有効です。

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